令和4年3月25日に、令和3年賃金構造基本統計調査が公開されました。
元となる令和3年賃金構造基本統計調査のデータは「コチラ」からダウンロードできます。

令和3年の平均賃金ですが、昨年が新型コロナウイルスの影響もあって前年比マイナスでしたので、その揺れ戻しもあり前年比プラスになったものの、未だ令和元年の水準までは戻っていないという結果となりました。

賃金センサスとは、賃金構造基本統計調査規則（昭和39年4月労働省令第8号）に基づき、労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数等と、賃金との関係を明らかにすることを目的として実施される「賃金構造基本統計調査」の結果をとりまとめたものをいいます。

調査結果は、毎年3月頃に昨年度分が公開され、「政府統計の総合窓口（e-Stat）」のサイトからダウンロードすることができます。令和3年の賃金構造基本統計調査結果は「コチラ」からダウンロードできます。

交通事故の事件処理では、休業損害・逸失利益を計算する時に、被害に遭われた方の収入に関する情報が必要になります。ですが、家事従事者（主婦、主夫、その他）の方や、未就労の方などは収入に関する資料がありませんので、このような方々の逸失利益等の計算をする際に、賃金センサスの「平均賃金」を用いることになります。その他にも、昨年度分の確定申告の内容に不備のある個人事業主の方なども、平均賃金を用いて交渉することがあります。

平均賃金を用いて計算する際は、賃金センサスの「産業計」「企業規模計」のデータを用いて、被害に遭われた方の「男女」「学歴」の区別に応じて該当する数値を参照します。具体的には、「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」の表にある「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」の数値を使い、①きまって支給する現金給与額×12＋②年間賞与その他特別給与額の計算式で平均賃金（年収）を求めます。

以下、令和3年賃金構造基本統計調査結果（賃金センサス）の「産業計」「企業規模計」のデータを用いて、「学歴」「男女」の別に応じて計算して平均賃金のデータをまとめてみました。

前年と同じく、「大学卒」と「大学院卒」が別々の区分とされており、学歴の区別「専門学校卒」「不明」も維持されていました。

直近数年間の平均賃金の推移をまとめてみました。

冒頭でもお伝えしましたが、こうして数年間の平均賃金を並べてみますと、確かに令和3年は昨年からの揺れ戻しもあって前年比プラスにはなっていますが、未だ令和元年の水準までは戻っていないということが分かります。まだまだ新型コロナウイルスによる影響は大きく残存しているものと推測されます。

元となる各年度の詳細なデータは、「賃金構造基本統計調査（賃金センサス）と平均賃金について」のページからご覧いただけます。